「コミュニケーションの取り方を考える」

Qさん 2C病棟勤務

私がこの7ヶ月の間で心に残った看護体験は、患者さまとのコミュニケーションのとり方を少し変えたことで、患者さまの反応が大きく変わったことです。

この看護体験のもととなった患者さまは、病棟に来てからそれなりの日数が経過しているにもかかわらず、日々のコミュニケーションを取るにあたってあまり声を聞いたことがありませんでした。「頷く」や「首を振る」などの反応が多く、返事があっても「うん」や「ない」などの簡単な言葉しか返ってこないことが多い方でした。また、表情もあまり変わらず、感情が読み取りづらい患者さまでした。そんな時、新人研修で認知症患者との関わり方、看護の仕方について学びました。例えば「部屋を出るときに手を振ってみる」や、目線の合わせ方によって、患者さまが看護師に受ける印象が変わることを学んだ上で、コミュニケーションのとり方を改めて考えました。

この患者さまは認知症を患っていたわけではありませんが、研修で学んだ患者対応はどの患者さまでも適用できると感じたため、研修翌日からさっそく実践してみました。
朝のラウンドの際に、まずは臥床している患者さまとの目線をできる限り合わせ、タッチングをしながら挨拶をしてみると、患者さまからも「おはよう」と返事が返ってきました。また、その日の天気を伝えると「そうなの?」など、目線を合わせることで安心感を与えることが出来たのか、声を出して反応してくれたことが嬉しかったのを覚えています。さらに、今までは話しかけてくださる場面はほとんどなかったのに、バイタルサイン測定中に、私のポケットに付いている時計をみて「これ時計?可愛いやつ付けているね」と患者さまから話しかけてくれました。そして、バイタルサイン測定が終わり退室する際に、また様子を見に来ますねと手を振ると、わざわざ布団から手を出し笑顔で振り返してくれました。

これらのことから、日々担当の変わる看護師のその日の第一印象によって、患者さまが心を開いてくれるのか、そうでないのかが変わることや、看護において基本となるコミュニケーションの難しさを改めて実感しました。今回のような対応は、その方以外にも当てはまるものであり、他の患者さまにも実践してみると、今までなかった反応や、表情を引き出すことに繋がると分かりました。

私の勤務する2C病棟では、今後地域へ帰るための退院支援が重要になってくるため、コミュニケーション方法を考えなおすことで退院支援を進めていくにあたっての患者の希望を聞き出すことや、今の思いを聞き出すことに繋がると感じました。
この看護体験以降に地域医療連携室でのローテーション研修に行き、ここでも患者さまの思いの聞き取り方を学ぶことが出来たため、今後の看護・患者さまとのコミュニケーションのとり方の考えを深めることが出来たと思います。