「傾聴と心のケア」
Nさん 3C病棟勤務
私が心に残っている看護は、術後の疼痛やしびれにより眠れない日が続いていた患者さまとの関わりです。 患者さまは「この先どうなるのか」「元の生活に戻れるのか」と将来への不安を口にされ、涙を流すことも多くありました。その姿を見て、どうすれば少しでも安心してもらえるかを考えながら、患者さまに寄り添うことを意識しました。
訪室した際、患者さまは痛みが強く「昨夜は眠れなかった」と話されました。私は痛みの状況を確認した後、「辛いですね」「よかったら何でも話してください」と声をかけ、患者さまの思いを傾聴しました。
話をしていくうちに少しずつ表情が和らぎ、「話を聞いてくれてありがとう。あなたが笑顔で聞いてくれるだけで気持ちが楽になった」と言ってくださいました。その言葉がとても印象に残っています。しばらく話すうちに患者さまの表清がさらに穏やかになり、少し前向きな言葉も聞かれるようになりました。その姿を見て、傾聴のカの大きさを実感しました。
この経験から、看護は単に異常の把握や処置を行うことだけではなく、患者さまの気持ちに寄り添い、心のケアを行うことも大切であると学びました。痛みや不安を抱える患者さまにとって、看護師の関わり方が大きな安心につながることを身をもって感じました。
また、回復期であるため、退院に向けた支援も重要です。患者さまが今後の生活をイメージできるように、できる動作を一緒に確認したり、「少しずつ良くなっていますね」と声をかけたりすることで、前向きな気持ちを引き出すことができると思いました。リハビリや日常生活動作を支援する中で、患者さまが自信を取り戻していく様子を見守ることができ、看護のやりがいを改めて感じました。

入職したころに比べると、現在は採血やルート確保など自分でできる技術も増えてきました。また、受け持つ患者さまの人数も多くなり、業務量も増えています。しかし、どんなに忙しくても、一人ひとりの患者さまと丁寧に向き合い、今回の経験を忘れずに、患者さまの心に寄り添える看護を実践していきたいです。異常の早期発見や処置の実施に加え、退院後の生活を見据えた支援ができる看護師を目指して努力したいと思います。

