日帰りそけいヘルニア手術について
そけいヘルニアの手術は、創部の疼痛に対する対処と全身麻酔後の経過観察のため入院して治療することが多いのですが、手術法と麻酔法を工夫することによって手術当日に来院、手術、術後の経過観察、その後特に何もなければ帰宅していただけます。
日帰り手術のメリット
- 費用を抑えることができる(入院費が不要)
- 必要最小限の準備で可能(入院に必要な物品の用意が不要)
- 生活のリズムを保つことができる(入院による制限が少ない)
- 早期社会復帰が可能(休業期間の短縮)
手術法
基本的に入院治療で行う手術法と変わりはありません。
そけいヘルニア手術は通常全身麻酔を主体としていますが、日帰り手術では局所麻酔を主体とした方法で行うので術後疼痛を抑えることができ、また麻酔覚醒を早めることで日帰り治療を可能とします。
そけいヘルニア手術は下記以外にも実にさまざまな手術方法があり、日本のガイドラインでは術者が最も得意とする方法で行うことが推奨されています。
当院では以下の手術法を習熟した外科学会専門医かつ日本内視鏡学会技術認定医がそれぞれの患者さまに適した治療を提供します。
そけい部切開法
- リヒテンシュタイン法
現在、国際ガイドラインで推奨されている手術法です。国内では施行している施設はまだ多くありませんが、最近徐々に普及しつつある術式です。
そけい部でヘルニア門の真上から腱膜を切開して前方からメッシュシートで塞ぎます。
- クーゲル法
ヘルニア門より頭側の筋肉を切開して腹膜外にアプローチし、ヘルニア門を後方から塞ぎます。
国際ガイドラインで推奨されている手術法ではありませんが、最も短時間で施行可能であり、大腿ヘルニアも含めたそけい部ヘルニア全てに対応できるメリットがあります。
腹腔鏡下そけいヘルニア修復術
国際ガイドラインまたは日本のそけい部ヘルニア診療ガイドラインにおいても腹腔鏡手術に習熟した外科医が行う場合にのみ推奨される手術法とされています。
- TAPP法(お臍からスコープを挿入し腹腔内にアプローチする方法)
腹腔内からヘルニア門の腹膜を切開してヘルニア門を後方からメッシュシートで塞ぎ、腹膜を縫合閉鎖して修復を行う方法です。
最も小さな傷で行うため痛みの少ない治療法となります。
- TEP法(お臍からスコープを挿入し腹膜外でアプローチする方法)
腹腔内を触ることなく、腹膜外でヘルニア門にアプローチしてヘルニア門を後方からメッシュシートで塞ぎます。
腹膜を切開縫合しないので腹腔内での癒着性合併症の可能性を回避することができます。
治療の流れ
- まずはお電話ください
TEL 0743-74-8650 地域医療連携室(直通)
受付が初診の予約をお取りします。 - 初診(1回目の来院)
・専門外来にて担当医が診察を行い診断します。
・手術適応と判断されると術前検査(血液検査、レントゲン検査、CT検査、心電図検査など)を行ない、ご希望に沿った手術について相談します。 - 手術当日のオリエンテーションの実施
・専任の看護師により手術当日の流れについてご説明します。 - 手術当日(2回目の来院)
・受付からDSリカバリールームに直接ご案内します。
・当日の専任担当看護師が準備から帰宅までをサポートします。
・担当看護師とともにDS手術室に入室します。 - 手術直後
・DSリカバリールームにて担当看護師が約3時間の術後観察を行います。
・吐き気がなく、水分摂取、トイレ、歩行が可能であれば帰宅を許可します。
・上記を満たさない場合は入院へ移行していただくことがあります。 - 術後の1週間
・自宅での経過観察となります。数日間は痛みがあるので鎮痛薬の服用が必要になりますが、痛みが落ち着けば仕事復帰も可能です。 - 術後1週間目(3回目の来院)
・外来にて担当医が診察を行い体調と創部のチェックを行います。 - 術後1ヶ月目(4回目の来院)
・再度、診察を行い異常がなければ通院終了となります。
そけいヘルニアかな?
ヘルニアと診断されたけど、どこで手術しようかな?とお思いの方は一度お電話ください。
TEL 0743-74-8650 地域医療連携室(直通)
治療についてサポートします。
また日帰り手術について、ご質問・ご相談などございましたら、お気軽にお問合せ下さい。